第2回 山田賞金王決定戦競争「オール・チャイニーズ・ライブズ・マター」

第2回 山田賞金王決定戦競争

オール・チャイニーズ・ライブズ・マター


「山田賞金王決定戦競争」は年に1度、これは面白い、気になった、これから来るだろうと思うものを6つ紹介するページです。人物だったり、作品だったり、イベントだったり選定ジャンルは特に決まっていません。今回はすべて中国関係です。

6号艇


香港人は変幻自在展2020「友よ、水になれ」


最後は、つい先日、12月16日から12月20日まで東京・目黒区美術館区民ギャラリーでひっそり行われた「香港人は変幻自在展2020『友よ、水になれ』」です。

 

これは、2019〜2020年の香港抗議デモの際にの際に使われたさまざまな道具、ポスター、スローガンやデモ隊の写真を一堂に展示したイベントだったのですが、たった5日足らずのイベントながら予想以上に完成度の高い展示でした。

 

森美術館や国立美術館などで開催される展覧会をコンパクトにしたかのような現代美術的な形式で、「記録的な展示」以上に「アート的な展示」だなと思いました。詳細はArtpediaの方を御覧ください。

 

なお、欧米のアート・ワールドでは、ブラック・ライブズ・マターの抗議運動やプロテスト・アートが、今年の最も影響力のあるアートとして評価されましたが、香港の抗議運動やプロテスト・アートもそのウェーブに乗っている思います。

 

香港の抗議運動やプロテスト・アートは昨年の出来事なので、正確にいえば、ブラック・ライブズ・マターの先駆としてもう少し欧米で評価されてもよいと思います。

 

そして、「香港人は変幻自在展2020『友よ、水になれ』」は、2021年以降に開催されると予想する「ブラック・ライブズ・マター展」の先駆となるプロテスト・アート展覧会として評価されると思います。オール・チャイニーズ・ライブズ・マター」にふさわしい展覧会でした。

5号艇


趙立堅


耿爽、王毅などこれまでも高圧的な「戦狼外交」をしかける外交官はいましたが、趙立堅は彼らよりもはるかに挑発的で、彼が何かアクションをとるたびに世界中で外交摩擦を引き起こしています。今年、趙が物議をかもしたアクションを振り返ってみましょう。

 

  • 3月、武漢で昨年開催された軍人の競技大会「ミリタリーワールドゲームズ」の際に、米軍が新型コロナウイルスを持ち込んだとする陰謀論をまきちらして波紋を呼ぶ。
  • 11月下旬、5カ国が機密情報の共有枠組み「ファイブ・アイズ」に対して「目を突かれて失明しないよう注意しろ」と述べ物議を醸す。
  • 12月頭、オーストラリア軍兵士が血まみれのナイフをアフガニスタンの子どもの喉に突きつけているコンピューター合成画像を、ツイッターに投稿して、オーストラリアと大きな決定的な摩擦を引き起こす。

 

趙の戦狼外交は、専門家よれば国内に向けて「強い中国」を示そうとする愛国主義の高揚を意図したもの分析されていますが、結果としては国外に対しては反中国包囲網の結束を高め、中国を国際社会からますます孤立させ、中国共産党の自滅を早めていると思います。

 

つい先日、中国で電力不足が深刻化し停電が相次いでいるというニュースが流れました。その原因はオーストラリア産石炭の輸入禁止措置で、そうであれば、これこそ趙の戦狼外交の成果といえるでしょう。中国共産党の破滅を早める趙の戦狼外交が、来年も続くかどうかは要「注意」です。

 

なお、趙はキャリアの面から見てもこれまでの中国外交官の本流から外れた異端な存在であることにも注目です。

  • 外務省への入省コースとなっている大学ではない、中南大学の出身であること
  • 在パキスタン大使館中に中国で禁止されているはずのTwitterを勝手にはじめ、「ムハンマド趙立堅」という名前で人気を博し、出世したこと
  • 蒼井そらなどAV女優を多数フォローし、そういうことに対して何も羞恥心がないこと

など非常に世俗的で大衆的なところがあります。こうした異端のキャリアを持っていることから、何かしら中国共産党を内部から揺るがす人物になるのではないかなと思っています。要注意!

4号艇


新中国連邦


今年、そしてこれから個人的に最も期待しているのが郭文貴率いる「新中国連邦」です!

彼らは日本でも活発に通りでデモ活動をしていて、そのたびにTwitter上で「怪しい」「カルトじゃね?」「宗教」などと批判されてますが、私でも事前に彼らの知識がなく通りで見ると同じ感想を抱くでしょう。

 

しかし、彼らはカルトでも変な宗教団体でもありません。中国共産党や国際情勢の「真実」を誰よりも把握し、マスメディアが伝えない真実を誠実に伝えている人々です。

 

新中国連邦がで創設されたは今年6月ですが、私が存在を知ったのは、閻麗夢博士がメディアに登場した7月以降です。閻麗夢博士の存在はエポック・タイムズ経由で知り、その後、閻麗夢関連の動画や情報を検索すると、自然と郭文貴や新中国連邦が結果に表示されるようになり、興味を持つようになりました。ちなみに、郭文貴、路徳社を知ったのも閻麗夢博士の情報を検索している頃です。それ以前はまったく知りませんでした。

 

閻博士経由で新中国連邦で知り、その後、京都富士会が配信しているニュースの内容の信憑性やオリジナル性(具体的には路特社ニュースダイジェスト)に感銘を受け、毎日アクセスするようになりました。この時期に、富士会ニュースを見ている人は、おそらく日本人は私ぐらいしかいなかったのでしょうか。


彼らが本格的に世界的にも日本のジャーナリストでも知るようになったのは、おそらく、大統領選挙の投票日前、ハンター・バイデンの裏ビデオやハードディスクをG-TVやG-Newsなどの各媒体を通してリリースし始めた10月20日頃だと思います。この時期に一気に郭関連のあらゆるメディアのビューが伸び始めたと思います。

 

それ以前は「閻麗夢博士の背後についている政治組織」のような感じで一部報道はされてましたが、さほど知られてはいなかったと思います。

 

バイデンのハードディスクのリリース後は、アメリカ大統領不正選挙に関する報道で波に乗り、現在に至ると思います。富士会ニュースを見ると、今では一記事・数千ビューを獲得しており、ここ3ヶ月で多くの日本人が注目し始めたのだと思います。

来年以降は、エポック・タイムズ同様数少ない「真実」を報道する華人系メディアとして成長すると思います。「本命」エポック・タイムズの「対抗」といえるでしょう。

 

ただ、会社化され組織が統一されているエポック・メディア(エポック・タイムズ・新唐人)に比べて、新中国連邦はそれぞれの組織(サクラ、富士、連新社)が独立して行動しているサークル色が強いと思うので、かつての新左翼のセクトのようにバラバラになってしまわないかが不安です。

3号艇


閻麗夢


今回から新たに設置された山田科学賞の初受賞者は亡命中国人の閻麗夢博士です。

 

閻麗夢博士は、「COVID-19の真の犯人は中国共産党であり、生物兵器である」という一部の人たちが指摘しては、すぐさま「陰謀論!」「根拠ない」などと批判する親中専門家やジャーナリストたちを、グウの音も出ないほど打ち負かした

 

閻麗夢に正面から挑むことは墓穴を掘るだけと専門家自身もわかっているため、彼らは意図的に彼女の存在を無視したり、話に応じようとせず、また親中メディアやジャーナリストたちは「背景に郭文貴やバノンなどの政治勢力がある」など論点をずらした批判ばかりである。

 

さらに今では、COVID-19をなんとか自然由来にこじつけるため、「COVID-19のための人工的な自然物」を作り出そうとさえしているという噂もある。

 

科学的視点から、今年、これほど中国共産党と親中派を打ちのめした人物はほかにいないだろう。

 

また、閻博士は今年7月にFOXのインタビューで、COVID-19に対するたさまざな正確な知識(WHOやファウチ博士や「コロナは風邪」論者とは異なる)や予測を示し、それらの情報は2020年12月末の現在すべて正確であることを証明した。ざっとふりかえると彼女が夏前に示したCOVID-19に対する知識は以下のようなものである。

  • 人類が遭遇したウイルスの中で最も巨大である
  • このウイルスに対するこれまでの知識は不十分であることで、今もまだ人々はこのウイルスを理解していないので、これまでの経験でウイルスの性質を判断してはいけない
  • 自然免疫やワクチンは期待できない
  • ウイルスは世界に600人の1人の割合で広がっており(2020年7月時点)、感染は非常に速い速度で広がり、ある日を境に10人に1人が感染する可能性がある
  • 「集合が発生したときはマスクを着用」、「社会的距離(2メートル)」、「70%アルコール」
  • 秋に再び感染爆発する可能性がある
  • この感染源の出所を正確に突き止め、正しい研究を行い、私たち一人一人が守ることである

上から6つのすべての項目で、彼女は正確な予測を証明し、7つ目の最後の項目「この感染源の出所を正確に突き止める」を達成することで、彼女は「今世紀で最も影響力のある科学者の一人」として知られるようになるだろう。

 

また、7つ目の予言の成就(感染源の出所を正確に突き止める)とは中国共産党を倒すこととイコールであり、それはまた14億7000万の華人の悲願「オール・チャイニーズ・ライブズ・マター」でもあるのだ。

2号艇


エポック・タイムズ(大紀元時報)


「エポック・タイムズ」は、米国に本拠を置く法輪功と密接な関わりのあるメディアです。

運営元である法輪功の存在はなんとなく知っていましたが、大紀元というメディアの存在を知ったのは実は今年になってからです。

 

今年、エポック・タイムズは2つの出来事で最も影響力のある日本、そして世界のデジタル出版社へ変貌を遂げたと思います。

 

1つは「パンデミック」。中国で発生した未知のウイルスの情報をいち早く日本語で発信し、これは「中国共産党の責任である」ことを断言していたのは、大紀元だと思います。現地で今起きている情報や動画をTwitterでリアルタイムで流し、YouTubeでまとめて配信していました。

 

大半の人もパンデミック後に大紀元の存在を知ったのだろうかなと思っています。過去にアップロードしていた動画を見ていると、以前はおもに法輪功の迫害と香港デモに関することが大半で、日本人の関心をひく内容は少なかったのではないかとおもいます。

 

この頃はまだ、現在のような大紀元日本のオリジナル動画はほとんどなく、ほぼ米国版エポックタイムズの翻訳放送でした。

 

エポック・タイムズが急成長したもう1つの要因は「アメリカ大統領選挙」です。11月3日以降から、パンデミック時のよきよりも何倍もYouTubeの視聴回数を増やしていると思います。日本のエポック・タイムズでは、現在もそうですが、ほかの日本のマスメディアでは絶対できないような激しい不正選挙の訴えをしています。

 

その理由は、もともとエポック・タイムズは、中国共産党に反対し、米国ではドナルド・トランプ大統領を支持していた極右のメディアだからでしょう。2016年と2017年に同紙はドナルド・トランプを味方に付け、現在はデイリー・コーラーやブライトバート・ニュースに匹敵するオンライン視聴者を持つレベルにまで成長しています。

 

トランプの元参謀で、ブライトバート・ニュースの元会長であるスティーブン・K・バノンは今年7月のインタビューで、エポック・タイムズの急成長に感銘を受け「彼らは2年後には保守系ニュースサイトのトップになるだろう」と述べてますが、私も来年にエポック・タイムズ日本語版はさらなる飛躍が期待されます。それは、おそらく本格的な米中対戦に関する報道になるかと思います。

 

エポック・タイムズは「本命」ですね。皆さんもぜひ「いいね!」をして「真実」を広めてください

1号艇


高妍


まずは台湾から。今年確実に日本でブレイクするのは台湾のイラストレーターの高妍さんです。

 

2020年以前から、もともとマンガシックさん経由でタコシェや日本のアンダーグラウンドシーンでも話題にはなっていたのですが、ブレイク決定打になったのは今年。

 

月刊「文藝春秋」6月号で発表された村上春樹の作品『猫を棄てる 父親について語るとき』のイラストレーターとして採用され、13点の挿絵(うち1点は表紙にも使用)を提供したことでしょう。ノーベル賞受賞候補者で世界的に有名な作家の新作で、キャリアもほとんどのない台湾のイラストレーターが選ばれたのは大事件です。

 

彼女が最初に出版した漫画作品は『緑の歌』の「緑」は、実は村上春樹さんの小説『ノルウェイの森』に出てくる「小林緑」からとったものだったという。彼女の作品から細野晴臣に関する話がたくさん出てくる事は知ってましたが、村上春樹の名前が作中に出てきたかなと確認すると、確かにきちんと書かれてました。

 

どう、村上春樹が作品に絡んでいるかというと、「細野晴臣の日本のコンサート」が、村上春樹の「ショートケーキ理論」にあたるように話が進められていました。

今はおもに「緑の歌」のような漫画作品や村上春樹のイラストレーションで話題があがることが多い彼女ですが、昨年1月にマンガシックで展示されていたシュルレアリスティック風景画や『隙間』に収録されている風景イラストを見ると、風景画をもっと見てみたいと思いました。

 

なお彼女自身も日本の浮世絵に関心があるらしく、葛飾北斎の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」や歌川広重の「東海道中膝栗毛」を想起させる部分があります。さらに、ルネ・マグリットの「白紙委任状」「光の帝国」ようなシュルレアリスム的な雰囲気があります。

 

下はマンガシックで展示されていたものです。背景の照明が偶然写りこんでさらにシュルレアリスティックになっています。

そして、彼女が日本のイラストレーターと決定的に異なり、この山田賞に選定された理由は「チャイニーズ・ライブズ・マター」に対して積極的なことだろう。彼女は中共についてインタビューでこのように話しています。

私たちの隣には不自由、不民主の国がありました。毎日私たちを邪魔したり、国際的に圧迫したりして、アジア全体の平和を損なっています。日本人にとって台湾の立場は分かりづらいかもしれないけど、私たちはそういう寄る辺ない環境で成長してきました。ほんの少しの油断でも、台湾、つまり私の国はすぐに消えていくと言っても過言ではありません。そして、自分の力で頑張らなければならない現実を受け入れてから、絶対に譲れない思いが生まれました。それは自由と民主主義の台湾を守るということです。 私はSNSでもよく政治的な話をします。政治意識が高いからではなく、ただその発言をとおして台湾人や日本人に自分の周りの状況にもっと注目してもらいたいだけなのです。もちろん意見の違う人から悪質なコメントも殺到します。そして、ある人たちはこう思っている。「芸術は芸術、政治は政治」。この考えにはまったく納得出来ません。成長する国や環境によって、私たちの人格や多様な生き方は作られたのです。思うに、土地と創作はとても密なもの。だから、もしその土地が私に助けを求める時、私は黙るわけがない、ただそれだけです。

芸術や文化のウェーブは、今、日本人にはわからないが世界では政治や社会問題と合流しつつあり「プロテスト・アート」や「アクティビティズム・アート」と呼ばれ、それが芸術家の評価の1つとなっています。

 

彼女は毎日邪魔をしてくる中国共産党という隣の邪悪な政権に脅かされているのだ。具体的な政治的作品はまだ日本では発表していないと思いますが、来年には「チャイニーズ・ライブズ・マター」賞に最もふさわしい2020年代の台湾を代表する芸術家となるでしょう。