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【見世物】鬼娘「耳元まで口が裂けた口裂け女芸人」

鬼娘/ Oni girl

耳元まで口が裂けた口裂け女芸人


鬼娘
鬼娘

概要


鬼娘は安栄7年(1778年)6月から本所回向院で信州善光寺如来開帳のときに、西両国広小路で興行していた見世物芸人。産まれたときから頭に角袋が生えており、口は耳の根まで裂け、二本の牙を持っていたが、産婆に噛み付いたため牙を抜いて口を縫い縮めたという。

 

小屋の前には「おにむすめ」と書かれたのぼりと絵看板には鬼娘の絵が立てかけられていた。小屋内の舞台後方にはすだれが垂れ、前方には竹の手すりが取り付けられ、中央には床机があり、そこに鬼娘が藤の花模様の振袖と緋の袴をはき、頭から鱗状模様の打掛をかぶり座っていた。

 

やがて口上が現れ、鬼娘の説明が終わったあと、打掛を脱がすと、鬼娘が耳の根まで裂けた大きな口を開いて立ち上がるのである。

 

そこで、口上は扇子で鬼娘の頬を指し、「口はもともと耳の根まで裂けておりましたが、親の慈悲で縫い縮めました跡があります。歯は生え替わりの牙と乱抗歯で、頭上のこぶのようのものは袋角という角形でございます」と説明を行う。

 

このような説明されるが、実際は看板絵のように人間離れしておらず、絵画や彫刻で見慣れた鬼とも似ても似つかぬものであり、さらに特に芸もしなかったので、あまり見栄えのない見世物だった。しかし、看板の絵に釣られて客は多く常に満員だったという。 

■参考文献

・『見世物研究』朝倉無声

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