フレデリック・ルイシュ「人間盆栽」

人間盆栽 / Vanitas-Dioramas

臓器を素材にしたアート


概要


「人間盆栽」はオランダ人の解剖学者フレデリック・ルイシュが制作した悪趣味なオブジェ。木製の台の上に胆嚢と尿管から摘出した結石、および臓器を丘のように据え、そこに導管や血管が樹木のように生けられている。

 

丘の頂と左右に合計3体の胎児の骨格がある。一体は天を仰ぎ、一体は死神の持ち物である鎌を持ち、もう一体が腹膜のハンカチを手に涙している。

 

薬剤師として出発し、ライデン大学で解剖学の学位を取得したルイシュは、人体標本というよりは死体を素材にした芸術作品を作製していた。

 

現在盆栽の実物は現存していないが、その一部は同時代の銅版画家によって今日まで伝えられている。