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【crime】佐川一政「パリ人肉事件犯を起こしたアングラ芸術家」

佐川一政 / Issei Sagawa

パリ人肉事件犯を起こしたアングラ芸術家


概要


佐川一政(1949年4月26日生まれ)は日本の作家、殺人者、カニバリスト。海外では「Pang」と呼ばれることもある。

 

1981年、フランスのパリ在住時にオランダ人女性留学生ルネ・ハルデルベルトを殺害し、死姦後にその肉を食べて世界を震撼させた「パリ人肉事件」の犯人で知られている。

 

2年間公判前勾留されたあと、精神鑑定の結果、心身喪失状態での犯行と判断され不起訴処分となる。

 

日本へ帰国後は、自身に対する犯罪行為へ対する人々の悪趣味的な関心を逆手に利用して、おもに執筆活動などで生計を立てている。漫画家で芸術家の根本敬と親交が深く、一部のマイナー・ファンから受け入れられている。

 

2000年には、漫画家の根本敬の指導・アシストで、パリ人肉事件を自身で漫画化した漫画『まんがサガワさん』を出版する。この作品はアウトサイダー・アートとして、世界中のコアなファンから高い評価を得ており、また絶版のため、現在は古書市場で高価格で取引されている。

 

近年はパステル画など絵画を制作していることが、『まんがサガワさん』の装丁や彩色を担当したほうとうひろし氏のツイートなどから確認されている。

 

また、ウェブマガジンVOBO企画で2012年2月にオンライン個展「佐川一政の世紀の個展2012」が開催され、絵画はオンライン販売されていた。出品されたのは1984年、東京都立松沢病院に15ヶ月間入院し、晴れて退院した1986年に書かれた油彩画3点。

 

2017年には自身を題材にしたドキュメンター映画カニバ パリ人肉事件38年目の真実』第74回ヴェネツィア国際映画祭オリゾンティ部門審査員特別賞した。

 

2013年に脳梗塞で倒れて歩行が困難となり、実弟の介護を受けながら年金暮らしを送る佐川に、フランスの撮影クルーが15年6月から約1カ月間にわたって密着。弟との奇妙な関係性を浮き彫りにしつつ、佐川の心の奥にある「カニバリズム」を追求していく。2019年7月12日より日本でも公開。

近作パステル画


佐川一政によるパステル画
佐川一政によるパステル画

1986年に制作した3点の静物画


《夏の想い出》(1986) 縦:74センチ、横:66センチ
《夏の想い出》(1986) 縦:74センチ、横:66センチ
《ゆめの風景》(1986) 縦:52センチ、横:60センチ
《ゆめの風景》(1986) 縦:52センチ、横:60センチ
《リンゴ、花、ミカン》(1986) 縦:52センチ、横:60センチ
《リンゴ、花、ミカン》(1986) 縦:52センチ、横:60センチ

「まんがサガワさん」


『まんがサガワさん』は2000年12月31日にオークラ出版から刊行された佐川一政にとる漫画作品。パリ人肉事件の様子を加害者である佐川自身が漫画化。構成・彩色・装丁はエディトリアル・デザイナーのほうとうひろし、また、根本敬がアシスタントとして参加している。

「まんがサガワさん」から。生でかじりついても歯型がつくだけで噛み切るのは難しいという。カニバリストや過激なサディストにしか理解できない感覚だ。

「まんがサガワさん」から。賛美歌を歌いながら切り刻む。処刑動画にイスラム歌謡を合成させ殺害を神聖化するISISや、「雨に唄えば」や「ミッキーマウスソング」を歌いながら暴力的なシーンを映し出すスタンリー・キューブリック的な演出だろう。人は残虐な行為をしているときに、まったく正反対の行動を起こして正当化し、理性を保つといわれている。

鏡に写して「カニバルだ!」と叫んだ僕。どこか文学的だ。絵を見るとどうも佐川さんは真性包茎らしい。

現代美術家への影響


ベルギーの現代美術家リュック・タイマンスに影響を与えており、タイマンスは佐川一政のポートレイトを制作している。この作品はテート・モダンが所蔵している。

 

《Issei Sagawa》は2014年に制作された油彩作品。彼の頭のサイズに似つかわしい大きな帽子を被った佐川一政の肖像画で、頬周辺はどちらも大きな闇の領域が描かれている。全体的に非常に緩やかな筆致で描かれており、全体的には薄暗い灰色に見えるが、グリーン、ピンク、グレイなどの絵具も使われている。

 

タイマンスによれば、自身の携帯電話で撮影した佐川一政のドキュメンタリー映像のシーンを元にして描いたという。

※1:リュック・タイマンス《佐川一政》2014年
※1:リュック・タイマンス《佐川一政》2014年
※2:リュック・タイマンスと佐川一政のポートレイト。
※2:リュック・タイマンスと佐川一政のポートレイト。