丸尾末広が手がけたCD・アナログレコードのジャケット画

丸尾末広はロックバンドのレコードジャケットやCDジャケットも多数てがけている。このページでは丸尾末広の音楽関連の仕事を記録していく。

ザ・スターリン「虫」

日本のロック史に残る偉大なジャケット画


ザ・スターリン「虫」(1983年)
ザ・スターリン「虫」(1983年)

『虫』は1983年4月25日にリリースされた日本のハードコアパンクバンド「ザ・スターリン」のサード・アルバム。LPジャケットの表面は丸尾末広のイラストが採用されている。中心の人物は1960年の上映映画『危うし!快傑黒頭巾』のポスターから引用したもので、額部分に星マークが付け加えられている。背景は何か戦争写真のようですがちょっとわかりません。

「危うし!!怪傑黒頭巾」の宣伝ポスター。
「危うし!!怪傑黒頭巾」の宣伝ポスター。

AUTO-MOD「REQUIEM(滅びゆく時代へのレクイエム)」

日本のパンクムーブメントの先駆けAUTO-MODのファーストアルバムのレコードジャケット画


「REQUIEM(滅びゆく時代へのレクイエム)」は、1983年8月にリリースされたロックバンドAUTO-MODのファーストアルバムのジャケット用に丸尾末広が描き下ろした作品。AUTO-MODは、ゴス系イベント「TOKYO DARK CASTLE」のオーガナイザーであるGENET(ジュネ)が1980年に結成し、現在も活動しているゴシック・ロックバンド。1980年代から始まる日本のパンクムーブメントの先駆け的な存在のバンドでもある。

NO! 有為転変を乗り越えて不壊不動の境地に至れ!

THE CRAZY SKBの原点といえるバンドのジャケット画


「NO! 有為転変を乗り越えて不壊不動の境地に至れ!」は、1988年7月に太陽レコードから発売された恐悪狂人団の1stアルバムのジャケット用に丸尾末広が描き下ろした作品。恐悪狂人団はTHE CRAZY SKBの原点と言えるバンド。また、1992年2月25日に殺害塩化ビニールより発売された2ndアルバム「合掌」のジャケット画も丸尾が手がけている。

筋肉少女帯「元祖高木ーブー伝説」

高木ブーを乱歩や寺山風にアレンジした名ジャケット画


「元祖高木ブー伝説」は、1989年12月5日にリリースされたロックバンド筋肉少女帯のメジャー2枚目のシングルCDジャケット用に描き下ろされた作品。

 

大槻ケンヂ自身が寺山修司や江戸川乱歩に強い影響を受けていることから、おそらく白塗りの顔(寺山修司を暗喩)にされ、また怪人20面相風の黒マントで魔術師風な出で立ちにされているのではないかと思われる。胸にはみどりちゃんらしきキャラのバッヂが付いており、バックには象、虎、花火などが描かれていることから見世物一座・サーカス団であると思われる。白塗りにピエロ的な化粧はどこか殺人ピエロことジョン・ウェイン・ゲイシーを彷彿させる。なお、ジャケット原画では象の背中にメンバーが乗っていたがリリース時にはメンバーは消去されてたようだ。

 

「元祖高木ブー伝説」は筋肉少女帯のインディーズ時代の1987年7月にナゴムレコードから自主制作盤のレコード「高木ブー伝説」として発売されているが、こちらは上條淳士が描いている。

「元祖高木ブー伝説」の原画。象の背中に人が乗っている。
「元祖高木ブー伝説」の原画。象の背中に人が乗っている。

デスマーチ艦隊「空にはとどろ。号砲の。」

軍歌を独自にアレンジしてパンク化した伝説のバンドのジャケット画


デスマーチ艦隊「空にはとどろ。号砲の。」
デスマーチ艦隊「空にはとどろ。号砲の。」

「空にはとどろ。号砲の。」は、1998年11月21日にリリースされたバンド、デスマーチ艦隊のサードアルバムCDジャケット用に描き下ろされた作品。「荒波越えて」「オクラホマミキサー」「ウィリアムテル序曲」などの軍歌を独自にアレンジしてパンク化し、また衣装は海軍服や鼓笛隊の衣装を見に付けていたため、ジャケット画はそれらが反映された内容となっている。1999年に活動停止。2003年に浅草ジンタとバンド名を変え。昭和初期、和風メロディのハードマーチをベースに現在も活動している。

BALZAC「全能ナル無数ノ眼ハ死ヲ指サス」

ホラー・パンクバンドの代表格BALZACの4thアルバム


BALZAC「全能ナル無数ノ眼ハ死ヲ指サス」
BALZAC「全能ナル無数ノ眼ハ死ヲ指サス」
BALZAC「Dark-ism」
BALZAC「Dark-ism」

「全能ナル無数ノ眼ハ死ヲ指サス」は、2000年12月にリリースされたパンクバンドBALZACの4thアルバムのジャケット用に丸尾末広が描き下ろした作品。BALZACは1992年に京都で結成され、以降大阪を拠点に活動している4人組のバンド。ホラー映画とパンクロックを融合したホラーパンクというスタイル。また、2005年4月にリリースしたミニアルバム「Dark-ism」のジャケット画も丸尾末広が手がけている。

 

「全能ナル無数ノ眼ハ死ヲ指サス」は「カリガリ博士」のフランシス、「Dark-ism」は1979年版「吸血鬼ノスフェラトゥ」からの引用である。

映画「カリガリ博士」
映画「カリガリ博士」
映画「吸血鬼ノスフェラトゥ」
映画「吸血鬼ノスフェラトゥ」

365:A TRIBUTE TO THE STALIN

ザ・スターリンの曲をさまざまなミュージシャンがカバー


「365:A TRIBUTE TO THE STALIN」は、2001年1月24日にポリドールより発売されたザ・スターリンのオムニバス・トリビュートアルバムのジャケット用に丸尾末広が描き下ろした作品。ザ・スターリンの曲を犬神サーカス団、大槻ケンヂ、パンタなどの様々なミュージシャンがカバーしている。セーラー服を着た巨大な女学生の股を軍隊が攻撃している。背景は富士山がそびえている。

ASSFORT「Free Punk Customize Kit」

ハードコア・パンクバンドの2ndアルバムジャケット画


「Free Punk Customize Kit」は、2001年2月7日にリリースされたハードコア・パンクバンド、ASSFORTの2ndアルバムのジャケット用に丸尾末広が描き下ろした作品。人間とチーターが融合したような獣人が少女をさらっている。

犬神サーカス団「呪恋」

寺山系和ゴスロックバンドの4thミニアルバムのジャケット画


犬神サーカス団「呪恋」
犬神サーカス団「呪恋」

「呪恋」は、2008年4月9日に発売された犬神サーカス団の4thミニアルバムのジャケット用に描き下ろした作品。犬神サーカス団は日本のロックバンド。マンガ雑誌「ガロ」の文通欄を通じてメンバーが集まり1994年結成。一時メジャーデビューしたが、2006年に再びインディーズに活動の場を戻し、2012年に「犬神サアカス團」にバンド名を変更。寺山修司の映画『田園に死す』に登場するサーカス一座がバンド名の由来となっている。丸尾末広原作の舞台「少女椿」の主題歌に新曲「運命のカルマ」を提供している。

NECRONOMIDOL「NEMESIS」

暗黒系アイドルユニットのファーストアルバム画


NECRONOMIDOL「NEMESIS」
NECRONOMIDOL「NEMESIS」

「NEMESIS」は、2016年2月17日に発売されたNECRONOMIDOLのファーストアルバムのジャケット用に丸尾末広が描き下ろした作品。NECRONOMIDOLは暗黒系アイドルユニットとして、ブラックメタルやポストブラック、ダークウェーブ、NWOBHMの音楽を中心として異世界観を作りながらパフォーマンスを行っている。

上坂すみれ「20世紀の逆襲」

2010年以降を代表するサブカルアイドルのジャケット画


上坂すみれ「20世紀の逆襲」
上坂すみれ「20世紀の逆襲」

「20世紀の逆襲」は、2016年に1月6日に発売された上坂すみれの2ndアルバム「20世紀の逆襲」のジャケット用に丸尾末広が描き下ろした作品。A版、B版、C版の3種類ある初回限定盤ジャケットのうち丸尾はC版のジャケットを担当。なお、A・B版は美樹本晴彦が担当している。

 

全体的には「ロリータと装甲」というかわいさと武装という矛盾した要素を兼ね備えた上坂すみれのキャッチコピーを基盤にした構成になっている。

 

同作品では、黒と白の水玉ストライプ柄の大きなりぼんを頭に付け、ところどころ破れたピンクのワンピースを身につけた黒髪長髪の少女が、バイオリン型の機関銃を手にして立っている。ロリータと装甲ももちらんながら、セーラー服と機関銃へのオマージュにも思える。

 

背景には革ブロ(革命的ブロードウェイ主義者同盟)のロゴマーク入りの旗がかけられた旧ソ連製と思われる戦車がある。戦車の上にはブリキの太鼓を持った少年が乗っている。

 

この少年はおそらく映画『ブリキの太鼓』からの引用であると思われる。『ブリキの太鼓』は3歳で発育の止まった実年齢30歳の精神病の住人オスカルの物語である。オスカルがブリキの太鼓を連打すると超音波で遠くにあるガラスを破壊する。