【経歴・解説】マリク・ピーリス「コロナのEタンパク質を熟知している世界的科学者」

マリク・ピーリス / Malik Peiris

コロナのEタンパク質を熟知している世界的科学者


概要


マリク・ピーリス(1949年11月10日生まれ)はスリランカの病理学者、ウイルス学者。長年、香港を拠点に活動している。

 

研究テーマは、動物とヒトの間のインフルエンザやその他の呼吸器系ウイルス感染症の生態、進化、病原性、疫学などでこれまで320以上の研究論文を発表している。ピーリスは、科学界ではSARSウイルスを世界で初めて分離した人物として評価され、彼の論文は11,000回以上引用されており、最も引用される世界の科学者の一人と認識されている。

 

現在は香港大学公衆衛生研究所の譚華正基金教授として、特に動物・ヒト間で伝染するコロナウイルスのような新しく出現したウイルスを研究している。

 

香港健康保護局の新興感染症に関する諮問委員会、香港研究助成委員会、世界保健機関(WHO)の予防接種に関する専門家の戦略的諮問グループ(SAGE)などのメンバーなどを歴任している。

 

2020年2月、ピーリスと同僚のレオ・L.M.プーンは、新型コロナウイルスのパンデミックを予見する決定的な論文を『Nature Medicine』誌に発表した。

 

2020年3月、ピーリスはポメラニアンの犬がCOVID-19に感染していることを報告した。当初、この調査結果は否定されたが、ブロンクス動物園のトラやノースカロライナ州のパグ犬が陽性となるなど、世界各地でCOVID-19の動物感染が発生し、動物がウイルスに感染する可能性があるというピーリスの調査結果が実証された。

経歴


COVID19とピーリス


ピーリスはCOVID-19の中にあるEタンパク質のアミノ酸E69とG70をアルギニン(R)に置き換えると毒性が高まることを発見し、論文を発表している。

 

しかし、彼のEタンパク質に関する論文は膨大なCOVID-19に関する論文の氷山の一角であり、ピーリスもその後、Eタンパク質に関する論文を発表していない。なお、科学者やマスコミの間で、COVID-19でおもに議題に上がるのは感染性に関わるSタンパク質である(※現在使用されているワクチンがSタンパク質に基づいて開発された場合、それは惨事になる)。

ピーリスが勤める香港のP3実験室はパンデミックが発生する以前からEタンパク質に対して非常に深い研究を行っていたことで知られ、全世界でCOVID-19のEタンパク質について詳しく知っているのは、ピーリスを含めP3実験室に務めていた3人(1人は閻麗夢博士、1人はKarunarathna(閻麗夢博士の夫))しかいない。


■参考文献

https://en.wikipedia.org/wiki/Malik_Peiris、2021年4月26日アクセス

https://gnews.org/1134610/、2021年4月27日アクセス