根本敬の応用知識「川口きよみ」

略歴

川口きよみ

菅井きんによく似た不幸な近所のおばさん


写真はイメージです。
写真はイメージです。

川口きよみは昭和9年に群馬の山村で長女として生まれた。家が貧しく、弟や妹がたくさんいて子どもの頃から子守や野良仕事の手伝いをさせれられていた。

 

中学を出ると上京して、神楽坂の電気屋を経営している叔父のもとで働く。叔父夫婦には子どもがいなかったこともあり、きよみは養女のように引き取られたという。そのため、きよみに縁談があっても、難癖をつけて勝手に断り、婚期を逃すことになる。しかも、薄給でこき使われたというが、きよみは表建てて文句もいわないで、一生懸命忍び耐えていた。真・善・忍の精神である。

 

20代後半になっても相変わらず叔父は縁談を潰すため、仕方なくきよみは群馬の親戚に叔父を通さず直接、縁談のやり取りを依頼する。なんとかもう早く結婚して、あそこを逃げたい!

 

それで決めてもらった、式当日に新郎に初めてあって、式を挙げたあと、叔父に謝りにいったら「この恩知らず」と激怒し、散々悪態をつかれたわりには、きよみの代わりが見つかるまで、しばらく店を手伝わされる

 

その後、今まで貯めた金と夫のお金をあわせて買ったのが「ながしま食堂」という、食堂屋の権利。自分の店を持ちやっと独立できて、叔父夫妻から離れたのもつかのも、今度は夫が本性を出しはじめる。夫は酒乱で、仕事もほとんどせず、きよみ1人で食堂を切り盛りすることになる。夜は酔っ払ってばんばん暴力を奮われる日々を過ごす

 

しかし、年の瀬が迫ったある夜、夫は酔っ払ったままアパートの階段で寝て凍死で発見される。夫を失ったきよみは、どうしていいかわからず、悪徳不動産屋に騙され、それまでの貯金を全部はたいて黒磯の山林を買わされてしまう

 

訴訟を起こそうにも法律の知識がないので、近所のパーマ屋に相談したら、公明党の議員を紹介される。しかし、法的にはまったく相手に問題がなくどうにもならなかったうえに、その時の議員やパーマ屋のばばあのすすめで、創価学会に入信させられる

 

その後、8年間、娘2人を抱え操を守りながら1人でながしま食堂をきりもりし、そこそこ店は繁盛して、生活が安定するようになる。(続く)