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中華人民共和国「世界で最も自由に科学研究や実験ができる国」

中華人民共和国 / People's Republic of China

世界で最も自由に科学研究や実験ができる国


概要


中華人民共和国は、中国共産党が一党独裁する国家。政治的自由や表現の自由はほかの国と比較すると制限されているが、科学に関しては世界のどの国より自由が与えられている

 

中国の科学技術は、1990年代から2010年代にかけて急速に発展してきた。中国政府は、資金調達、改革、社会的地位の向上を通じて、国の社会経済的発展の基礎として、また国の威信をかけて、科学技術を重視してきた。

 

教育、インフラ、ハイテク製造、学術出版、特許、商用アプリケーションなどの分野で急速な進歩を遂げ、いくつかの分野で、またいくつかのジャンルで世界のリーダーとなっている。

 

特に人体を使った科学実験に対しては、戦前のナチス・ドイツと同じくらい寛容で自由なため、今後、中国は世界の科学大国の中心地になるだろう。

 

海外技術の模倣と盗用を繰り返してきた中国だが、現在は独自のイノベーションを目指す傾向が強まっており、これまでの弱点の改革を目指している。

テクノ・ナショナリズム


「テクノ・ナショナリズム」という言葉は、もともと1980年代のアメリカで使われていたが、その後、アジアを中心とした多くの国のナショナリズム的な技術政策を表す言葉として使われるようになった。

 

中国のテクノ・ナショナリズムの発展は、19世紀に先進国から屈辱を受けたことが根底にある。実際、中国の指導者たちは、他の国の指導者たちと同様、科学技術の発展が経済的な豊かさ、国家の安全保障、国家の威信を得るために不可欠であると考えてきた。

 

固有の技術的な知的財産やイノベーションの欠如は、国家の重要な問題とみなされている。しかし、21世紀に入ってから、中国では「固有のイノベーション」や技術開発を促進するために、中央政府による一連の取り組みが行われるようになっている。

 

たとえば、「国家科学技術開発中長期計画」(2006-20)、「戦略的新興産業」、「インターネット・プラス」、「メイド・イン・チャイナ 2025プログラム」などのような取り組みである。

 

このような取り組みを通じて、中国国家はさまざまな形で経済に介入し、国家の技術開発を促進し、他国への依存度を下げてきた。優先度の高い産業や企業が保護され、指導されている。また、外国の技術や知的財産を自国の技術に置き換えるための組織的な取り組みが行われている。

 

外資系企業には、技術移転や研究開発拠点を中国に移すための多くのインセンティブが与えられている。同時に、国内企業の技術力はさまざまな形で支援されている。

 

このような政策は、中国と米国をはじめとする先進国との間で大きな対立を生んできたが、中国はその政策に異議が唱えられた場合、しばしば柔軟に対応してきた。

 

2019年には、中国政府が官公庁に設置されている外国製のPCハードウェアとOSを、今後3年間ですべて交換するように命じたという報道が浮上した。他にも、中国政府がハイテク企業への補助金を増額するとの報道もあった。

閻麗夢博士による中国科学の実情


(閻麗夢インタビュー「2020年8月4日:War Roomインタビュー/人民解放軍の実験室で作成された」書き起こし(後半))より

 

西側の科学界ではこのような意見もあります。ときどき、不正な方向を持っている科学者はアメリカや西側諸国では厳しく禁止されている研究の一つである機能獲得の研究をしたいと思っていて、彼らはお金とその考えをどのような研究ができるのかを定めた基準が低くて厳しくない中国の実験室に持っていく。西側の科学者がおそらくハーバードでは許されないであろう研究をするためにどのように中国のシステムを使っているのか少し話していただけますか?

 

とても有名な事例があります。賀建奎博士は2018年に中国で遺伝子編集ベビーテストをしました。この種の実験は海外では決して許可されません。中国でも禁止されているはずですが、どういうわけか実験することができます。政府は知っているけれども知らないふりをして、彼に実験をさせたのです。

 

科学雑誌サイエンスジャーナルでも確認することができます。彼らは後に論文を書いたのです。それはアメリカの科学者が、ノーベル賞にノミネートされた科学者が賀建奎博士の研究に関与していた可能性を示しています。これは研究者が許可されていない研究をどのようにするのか実際は中国ですることができるということを示した。とても典型的なよく知られた事例です。このとき、その会議に出席し、賀建奎博士に質問したのは私です。だから、このことすべてを知っています。

 

-これについて何が恐ろしいのかというと、世界にとって歴史的な事例があります。ナチス政権によって行われた道徳上、倫理上のどんな基準も満たしていない実験です。科学者によって「死の収容所」で行われました。それからあなたも数ヶ月前に出てきたこの研究に言及したと思いますが、ヒトの遺伝子をサルの胚に入れてサルの知能が変わるかどうか試そうとした実験です。あらゆるレベルで恐ろしいです。

 

そうですね、彼らはこのようなあらゆるタイプの実験をしたいのです。中国共産党政府に話を戻しますと、彼らは人々に何も宗教を持つな中国共産党を信じろと言っています。彼らのやりたいことが、あなたのできることなのです。だから人々は宗教を失い、信仰を失うのです。彼らは人々に悪い結果をもたらすことはすべきではないと思っていません。

 

 

ただ大きな利益になることをやるのです。政府は人々に裏で大きな利益になることをやってほしいのです。遺伝子編集がヒトにどのようなことができるかを知るための遺伝子編集ベビーやウイルスがどれだけパワフルになるかを知るための機能獲得実験をやってほしいのです。

中国の科学技術産業


2009年、中国は世界のテレビの48.3%、携帯電話の49.9%、パソコンの60.9%、液晶モニターの75%を製造している。最近では、電子部品の国産化が重要な成長要因となっている。

 

●人工知能

2017年7月8日、中国国務院は、2030年までに中国を人工知能(AI)における世界的なリーダーにする計画を発表。1兆元規模の産業にすることを目指している。国務院は3段階のロードマップを発表し、軍事から都市計画に至るまで、幅広い産業や分野でAIをどのように開発・展開していくかを説明している。このロードマップによると、中国は2020年までに現在のAI業界のリーダーの技術力に追いつき、2025年までに大きなブレークスルーを実現し、2030年には世界のリーダーになることを計画している。

 

●ドローンとロボティクス

中国はドローン技術のリーダーであり、世界で初めて大規模な輸送用ドローンを作り、また世界で初めて水陸両用ドローンを作った国である。DJIやEhang(Beijing Yi-Hang Creation Science & Technology)などの中国のドローン企業は、民間のドローン業界の大部分を占有し、DJIだけで世界市場の85%のシェアを占めている。

 

珠江デルタなどの一部の地域では、メーカーは労働力不足、賃金上昇、高学歴の若者の仕事への期待などの問題を抱えている。しかし、こうした問題により、産業用ロボットの需要が高まっている。2017年現在、中国はロボット技術の最大の使用者であり、生産国でもあり、また世界で初めて自動化された歯科手術を行った国でもある。中国では4億人が歯科矯正手術を必要としているが、歯科医の数が不足しており、毎年100万人しか実施されていない。ますます多くのロボットが歯科矯正手術で国の歯科医を支援することになるだろう。

 

●ソフトウェア・インターネット産業

2010年の中国のソフトウェア産業は、世界のソフトウェアおよび情報サービス市場で15%以上のシェアを持ち、過去10年間で毎年平均36%の成長を遂げてきた。中国のIT企業は、狭い川下のサービスや製品からあらゆる種類のサービスに手を伸ばしてきた。現在は中国政府の積極的な支援を受けて、モノのインターネット技術(IoT)の主要なパイオニアとなっている。

 

中国インターネットネットワーク情報センターによると、2017年時点でのインターネットユーザーは7億5,100万人で、人口の53.2%がインターネットユーザーである。モバイルインターネットユーザー数は7億2,400万人に達し、携帯電話やブロードバンドインターネットの普及率が高い。2017年には、中国は世界最大の電子商取引市場である1兆1,320億米ドルの規模となり、他の市場を大きくリードし、2位の米国市場の約3倍となっている。

 

2017年、中国の携帯電話加入者数は13.6億人を超え、固定電話の加入者数は3.1億人に達した。4Gユーザー数は大幅に増加し、2017年8月には9億3,200万人に達した。 2020年までに、中国は5Gネットワークを全国的に採用する予定である。

 

国有企業であるチャイナ・テレコムは、すでに5G対応のC-RANフロントホール・ネットワークを展開しており、2019年に5G技術の商用試験を行い、中国の6都市でネットワークのフィールド・トライアルを実施することを明らかにし、次世代モバイル技術の世界展開をリードするという中国の決意を示している。

 

●マイクロプロセッサ

中国には、国内で製造・開発された独自のマイクロプロセッサーがあり、世界で最も強力なスーパーコンピューターの構築にも使用されている。

アーキテクチャ プロセッサー名 製造 OS
RISC63 SW26010 神威 RaiseOS(Linux)
MIPS64 Loongson,Godson ICT & CAS Android,Linux,BSD
Power8,Power9(IBM) PowerCore CP1, CP2 Suzhou PowerCore Suse Linux
SPARC64 FeiTeng3rd gen, Galaxy FT-1500 飞腾 Kylin Linux 

●スーパーコンピュータ

中国のスーパーコンピュータ産業は急速に拡大している。スーパーコンピュータは、医薬品の設計、暗号解読、天然資源探査、気候モデル、軍事技術など、さまざまな分野で最先端の研究を行う可能性がある。

 

2017年の時点で、中国は世界500大スーパーコンピュータのうち202台を保有し、他国(143台の米国を含む)を大きく上回っているほか、トップ2のスーパーコンピュータを保有している。

 

中国は部品の国産化を進めており、エクサスケールのスパコンを世界に先駆けて開発する予定である。また、中国はスパコンセンターを連結して、より強力な大規模分散型スパコンの構築を計画している。天河一号は2010年から2011年にかけて、世界最速のスーパーコンピュータとして活躍した。2013年6月、天河一号の後継機である天河二号が王座を奪った。

 

2016年、中国の新しいスーパーコンピュータ「神威·太湖之光」は、中国製のチップを使用しながら、天河二号の能力を3倍に大幅に上回る世界最強のスーパーコンピュータとなった。これは、中国がスパコン業界だけでなく、国内のチップ製造技術においても成功したことを示している。

 

●半導体

中国の半導体産業は、政府の大規模な支援にもかかわらず多くの問題を抱えている。その原因としては、時代遅れの技術に対する国や地方自治体の支援が不十分で、取り組みが地理的に分散していること、技術者教育が不十分であること、知的財産権の保護が不十分であることなどが挙げられる。

 

しかし、直接的な支援ではなく市場メカニズムを重視した新たな取り組み、努力の集中、留学していた中国人の帰国、外国企業への技術移転の圧力の増加、中国の技術標準の固有化、現地市場での固有技術の需要の増加などの要因によって変化する可能性がある。

 

中国は半導体産業を急速に発展させ、最大のチップメーカーであり開発者でもある清華聯合集団に1,500億ドルの資金提供を行い、半導体技術における中国の優位性を確保し、今後5年間で世界トップレベルの半導体産業を構築することを目指している

 

●エネルギー

中国の急速な工業化に伴い、電力消費量や発電量も増加しており、これらの問題に関する研究も行われている。

 

●発電・送電

石炭は近い将来も最も重要な電源であり続けると予測されており、中国はクリーンコールテクノロジーの世界的リーダーとみなされている。2009年、中国は再生可能エネルギー技術への世界最大の投資国となった。

 

原子炉技術の製造・設計を最大限に自前で行いたいと考えており、国際協力や技術移転も奨励されながら、原子力発電は急速に拡大していく予定である。近い将来、CPR-1000やAP1000のような先進的な加圧水型原子炉が主流となるだろう。

 

その後、ペブルベッド炉のような非常に高温の原子炉が優先され、今世紀半ばには、高速中性子炉が主要な技術になると考えられている。

 

●娯楽産業

中国のアニメーション産業と、3Dコンピュータグラフィックス技術などの最新技術へのアクセスは、中国政府が積極的に支援しており、最新の国家計画にも盛り込まれている。

 

ハリウッドと同じ技術が利用でき、ポストプロダクションの多くは中国に委託されている。

 

ただし、土着の芸術的な創造性が発揮されることは問題視されている。国民の承認ではなく政府の支援を得ることを目的とした制作、検閲、中国文化に基づいた一部の物語など表現には制限をかけられている。