【見世物小屋】パスカル・ピノン「20世紀初頭に活躍した2つの頭を持つ男【フリークス】

パスカル・ピノン / Pasqual Pinon

20世紀初頭に活躍した双頭の見世物芸人


パスカル・ピノン
パスカル・ピノン

概要


もう1つの頭はフェイク


パスカル・ピノン(1889年-1929年)は双頭のメキシコ人。1900年初頭に活動していたセルスフロト・サーカスの見世物芸人。その頭頂部にくっついている巨大良性嚢胞腫瘍で注目集めた。

 

テキサスの鉄道会社で働いていたピノンは、見世物小屋興行師に発見され、興行師が主催している見世物小屋へスカウトされる。興行師は、ピノンの頭にあった巨大な腫瘍に蝋でつくった偽の顔をくっつけて、“2つの頭を持つ男”として喧伝してステージに立たせた。なおフェイクの頭は銀製であるとも、外科手術で皮膚の下に直接埋め込んでいたもいわれ、その詳細は不明であるが、フェイクであったことは事実とみなされている。

 

見世物小屋の巡業が終了した後、ピノンはマネージャーからフェイクの頭を除去するための手術代金とギャランティを受け取り、故郷のテキサスに帰ったという。

ピノンが所属していたセルス・フロト・サーカスのポスター。
ピノンが所属していたセルス・フロト・サーカスのポスター。

不自然な寄生的頭蓋結合双生児


医学的に見ると、ピノンは寄生的頭蓋結合双生児と呼ばれるもので、これはまれに存在するシャム双生児の種類ではある。しかし、本来であれば2人の頭部は上下逆さまになるはずだが、ピノンの場合は逆さまになっておらず、不自然な点があった。その事実からもピノンのもう1つの頭部はフェイクであるとみなされている。

本来あるべき姿の寄生的頭蓋結合双生児の骨格
本来あるべき姿の寄生的頭蓋結合双生児の骨格
寄生的頭蓋結合双生児を描いたドローイング
寄生的頭蓋結合双生児を描いたドローイング

ピノンとメディア


スウェーデンの小説家ペール・オーロフ・エンクイストは、著書『The Book About Blanche and Marie』でピノンを特集し、その名を世に広めた。また、丸尾末広のマンガ『トミノの地獄』ではピノンをモデルとして見世物芸人の双頭将軍(名古屋三郎)が登場する。こちらもオリジナルと同じくフェイクである。

丸尾末広「トミノ地獄」より
丸尾末広「トミノ地獄」より

●参考文献

Pasqual Pinon - Wikipedia