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【作品解説】丸尾末広「カリガリ博士復活」

カリガリ博士復活

ドイツ表現主義の古典をアレンジした初期作品


概要


「カリガリ博士復活」は、「マンガ宝島」82年3月号に掲載された丸尾末広による漫画作品。単行本では「薔薇色ノ怪物」に収録されている。

 

 

「カリガリ博士」とはドイツ表現主義の代表的な映画、1920年頃の古い映画である。これを丸尾末広が独自にアレンジした内容が「カリガリ博士復活」である。現在の丸尾末広の公式Twitterのバナー画像はカリガリ博士のイメージをもとにしている。

 

原作は、カリガリ博士と夢遊病者の二人が組んで連続殺人事件を起こしていく話を、登場人物の一人であるフランシスが回想する形で進めていくものとなっている。

 

この映画の見どころはラストのどんでんがえし。実のところ殺人事件は、それを回想をしている精神病患者フランシスの妄想だったという。またカリガリ博士とは、現実世界ではフランシスが入院している精神病院の院長だった。

 

 

この話を丸尾末広は独自にアレンジする。

精神病患者フランシスの役柄をメンヘラ的な少女に入れ替える。少女はいつも男性に強姦される病的な被害妄想に取り憑かれている内容になり、カリガリ博士は現実の世界では少女が入院している精神病院の院長になる。

 

なおこの話は、寺山修司の弟子で「マンガ宝島」の編集長だった高取英の依頼によって描かれたものということもあって、ちょっと少女的なカラーが強いのかもしれない。